3行まとめ
このテーマをもう少し広げて見るなら、NVIDIA License System 3.6.1確認:DLS 3.4.1/3.1.xの2026年6月EOL前に見ること と NVIDIA DGX Spark Enterprise Manageability確認:Fleet LifecycleとCloud-Initで複数台導入前に見ること も合わせて確認してください。AI Enterprise 8.1やPB6移行を検討する際、DLS/NLSの期限とライセンス基盤の更新を同じ棚卸しに入れる必要があるため。
R595系ドライバ、GPU Operator、Network Operator、NIM Operator、Run:aiの更新を基盤側の変更として見ます。
Tesla V100系と一部RTX/Quadroは、Infra 8.0以降のvGPU for Computeで対象外として整理されています。
2026年6月がLast planned release、2026年7月がPlanned EOLとして示されています。
新機能の有無だけでなく、GPU、Infra branch、Production Branchを別々に棚卸しすることが出発点です。
NVIDIA AI Enterprise Infra 8.1は、R595系ドライバやGPU Operator、Network Operator、Run:ai、NIM Operatorの更新だけでなく、Infra 8.xで使えるGPUとLTSBに残すGPUを分けて確認するタイミングです。
NVIDIA公式Docsでは、Tesla V100全Volta系と、RTX 4000 SFF Ada、RTX A4000、Quadro RTX 8000/6000/4000がInfra 8.0以降のvGPU for Compute対象外として整理されています。一方で、Infra 7.5 LTSBとInfra 4.10 LTSBでは継続サポートの道が残ります。
アプリケーション層ではPB 25h2が2026年6月をLast planned release、2026年7月をPlanned EOLとして示されているため、NIMやAI Enterprise上の推論基盤を使うチームは、PB6へ進むのか、LTSBに残すのか、GPU更新を先に決めるのかを分けて棚卸しする必要があります。
この記事は、NVIDIA公式Docsを2026年6月12日に確認して書いています。NVIDIA Watch JapanはNVIDIA Corporationおよび関係会社とは非提携の独立ブログです。価格、契約条件、本番サポートの可否は、公式ドキュメント、契約、販売パートナー、NVIDIAのサポート窓口で必ず再確認してください。
8.1で見るべき点は、新機能よりも移行期限とサポート境界
- 2026年5月
Infra 8.1やLifecycle関連の公式Docs更新を確認する時期です。
- 2026年6月
PB 25h2のLast planned releaseが示され、NIMやアプリケーション層の棚卸しが必要になります。
- 2026年7月
PB 25h2のPlanned EOLに向けて、PB6移行、LTSB残留、GPU更新の分岐を決めます。
- 2027年1月
PB6のPlanned EOLが示されており、次の運用計画も同時に見ておきます。
Application LayerとInfrastructure Layerを混ぜずに見ると、NIM更新とGPU制約を切り分けやすくなります。
NVIDIA AI Enterprise 8.1を読むとき、最初に見たいのは「何が増えたか」だけではありません。導入済みの環境では、手元のGPU、仮想化方式、Kubernetes運用、NIMのコンテナ、AI EnterpriseのProduction Branchが、次の数カ月も同じ組み合わせで成立するかが先に来ます。
今回の確認ポイントは3つです。1つ目はInfra 8.1の主要コンポーネント。2つ目はInfra 8.0以降でV100と一部旧RTX/QuadroがvGPU for Computeのサポート対象外になっていること。3つ目はPB 25h2が2026年7月のPlanned EOLへ近づいていることです。
なぜ2026年6月に確認するのか
根拠
需要シグナルとしては、NVIDIA Docs側でInfra 8.1 Release Notes、AI Enterprise Docs Home、Lifecycle Policy、EOL Noticesが2026年5月末から6月にかけて目立つ更新点を持っています。SNSの噂や市場材料ではなく、公式ドキュメントの更新そのものが、開発者と導入企業にとって「いま確認すべき」理由です。
注意点
特にAI Enterpriseは、アプリケーション層とインフラ層が分かれています。NIMやAI framework、SDK、事前学習済みモデルはApplication LayerのProduction Branchで管理され、GPU driver、vGPU、Operator、Run:ai、Container ToolkitなどはInfrastructure Layerで管理されます。ここを混ぜると、「NIMを更新したいだけなのにGPU制約でInfra更新が進まない」「旧GPUを残したいだけなのにPBのEOLを見落とす」という判断ミスが起きます。
この記事で持ち帰る判断
確認項目
読者が最初に決めるべきことは、Infra 8.1へ上げるかどうかではなく、次の4点です。
- 自社または検証環境に、V100、RTX 4000 SFF Ada、RTX A4000、Quadro RTX 8000/6000/4000が含まれているか。
- そのGPUをvGPU for Computeで使っているか、または使う予定があるか。
- 現在のNIM、推論サービス、モデル、アプリケーション層コンポーネントがPB 25h2に依存しているか。
- PB6、Infra 7.5 LTSB、Infra 4.10 LTSB、GPU更新のどれを先に検証すべきか。
評価基準
この順番で見ると、短期の対応が分かれます。新しいNIMやOperator、R595系の基盤更新を取り込みたい環境はPB6やInfra 8.xを検討しやすい。一方、V100や該当RTX/QuadroをvGPU for Computeで使い続ける必要がある環境は、LTSB残留やGPU更新の時期を先に決める必要があります。
Infra 8.1の主要コンポーネントを確認する
ドライバだけを先に見るのではなく、vGPU、Operator、Kubernetes、監視、ロールバックを含めて検証します。
NVIDIA AI Enterprise Infra 8.1 Release Notesは、インフラ側の構成要素を一覧化しています。ここで見るべきなのは、単独のバージョン番号ではなく、自社のGPUノード、Kubernetes、仮想化基盤、NIM運用にどこまで波及するかです。
Infra 8.1で確認した主な値は、NVIDIA Data Center GPU Driver 595.71.05、NVIDIA Fabric Manager 595.71.05、NVIDIA DOCA Driver for Networking 3.3.0、NVIDIA Virtual GPU Manager 20.1、NVIDIA vGPU for Compute Guest Driver 20.1、NVIDIA Container Toolkit 1.19.0、NVIDIA Run:ai 2.25、NVIDIA GPU Operator 26.3.1、NVIDIA Network Operator 26.1.1、NVIDIA NIM Operator 3.1.0です。
R595系として見るべきドライバと基盤更新
根拠
R595系のData Center GPU Driverは、GPUの動作だけでなく、Fabric Manager、vGPU、Kubernetes上のGPUノード運用にも関わります。Release Notesでドライバ番号を見つけたら、次に見るのは「既存クラスタでそのまま上げられるか」ではありません。先に、現在のGPU SKU、仮想化方式、CUDA依存、vGPU Manager、Guest Driver、Kubernetes、GPU Operatorの組み合わせを棚卸しします。
確認項目
オンプレAI基盤や社内GPUクラスタでは、ドライバだけ先に更新できる環境もあれば、ハイパーバイザー、ゲストOS、Operator、NIMデプロイの更新が一体になる環境もあります。特にAI推論基盤では、NIMやTriton、Dynamoのようなアプリケーション層だけを見ても、実際の安定性はGPUノード管理とネットワークに左右されます。推論基盤全体の見方は、過去記事の<a href="https://nvda-watch.blog.mo-gmo.com/nvda-23-dynamo-inference-ai-factory/" rel="noopener">NVIDIA Dynamo導入前チェック</a>でも扱っています。
Operator更新をNIM運用の前提として見る
条件
自己ホストNIMをKubernetes上で運用する場合、NIM本体のバージョンだけでは判断できません。GPU Operator、Network Operator、NIM Operator、Run:aiのような運用レイヤーが、NIMの配置、GPU割り当て、ネットワーク、監視、スケジューリングに関わるためです。
AI Enterprise 8.1では、GPU Operator 26.3.1、Network Operator 26.1.1、NIM Operator 3.1.0、Run:ai 2.25が示されています。これらを見たときは、アプリ担当だけで「NIMを上げる」と決めるのではなく、インフラ担当、Kubernetes担当、セキュリティ担当、運用担当が同じ更新計画を見る必要があります。
8.0から続く変更点として読む
今回のGPUサポート境界は、Infra 8.1だけの話として読まないほうが安全です。NVIDIA公式Docsでは、対象GPUの除外はInfra 8.0以降のvGPU for Computeとして整理されています。8.1で初めてこの話を見た読者でも、実際には8.0から続く条件として扱う必要があります。
ここで大事なのは、「8.1に更新するか」ではなく、「8.x系に進む環境」と「LTSBに残す環境」を分けられるかです。同じ社内でも、開発検証用の新GPUノードは8.xへ、既存V100の仮想化基盤はLTSBへ、という分割が現実的な場合があります。
V100と一部旧RTX/Quadroが8.xで外れる意味
対象GPUを持っているだけで全利用が止まるわけではありません。vGPU for Computeの有無と現在のInfra branchを先に確認します。
もっとも誤解しやすいのが、GPU除外の読み方です。今回の記事で扱う除外は、NVIDIA AI Enterprise Infra 8.0以降のvGPU for Compute文脈です。「V100がNVIDIA全体で完全に使えなくなる」「旧RTX全体が終了する」という話ではありません。
NVIDIA EOL NoticesとInfra 8.1 Release Notesでは、NVIDIA Tesla V100の全Volta variants、NVIDIA RTX 4000 SFF Ada Generation、NVIDIA RTX A4000、NVIDIA Quadro RTX 8000、NVIDIA Quadro RTX 6000、NVIDIA Quadro RTX 4000が、Infra 8.0以降でvGPU for Computeのサポート対象外として整理されています。これらはInfra 7.5 LTSBとInfra 4.10 LTSBでは継続サポートされる前提も併記されています。
除外対象を正確に並べる
対象範囲
V100については、Tesla V100 SXM2 16 GB/32 GB、Tesla V100 PCIe 16 GB/32 GB、Tesla V100S PCIe 32 GB、Tesla V100 FHHLが対象として挙げられています。Workstation-class GPUでは、RTX 4000 SFF Ada Generation、RTX A4000、Quadro RTX 8000、Quadro RTX 6000、Quadro RTX 4000です。
注意点
ここで注意したいのは、RTX 4000 SFF Adaのように比較的新しい印象のあるカードも対象に含まれている点です。「古いGPUだけの話」と片づけると、ワークステーションや小規模推論サーバーをvGPU for Computeで使っている環境が見落とされます。
条件
一方で、対象外GPUを持っているだけで、すべてのAI Enterprise利用が止まるわけでもありません。公式Docsは、Infra 7.5 LTSBとInfra 4.10 LTSBでは継続サポートされると説明しています。したがって、まず見るべきなのは、対象GPUの有無、vGPU for Compute利用の有無、現在のInfra branch、今後8.xへ進む理由です。
8.xへ進むか、LTSBに残るか
評価基準
8.xへ進む判断が向くのは、対象外GPUに依存しておらず、R595系ドライバ、Operator更新、新しいNIM運用、PB6への移行を同じ検証サイクルで進めたい環境です。新しいBlackwell世代、Hopper世代、L40SやRTX PRO Server系の導入を進めている場合は、旧GPUの維持よりも新しい運用基盤への整合確認が主題になりやすいでしょう。オンプレAI基盤の観点では、<a href="https://nvda-watch.blog.mo-gmo.com/nvda-34-rtx-pro-server-blackwell-onprem-ai/" rel="noopener">RTX PRO Servers確認</a>も合わせて読むと、GPU更新側の論点を切り分けやすくなります。
残留条件
LTSBに残る判断が向くのは、V100や対象RTX/QuadroをvGPU for Computeで使い続ける必要がある環境です。既存の本番環境、研究用クラスタ、社内PoC基盤、仮想デスクトップ/仮想GPU基盤では、GPU更新が予算や調達リードタイムに左右されます。その場合、Infra 7.5 LTSBまたはInfra 4.10 LTSBに残す期間、残してよい用途、セキュリティ更新、例外承認、出口戦略を決める必要があります。
棚卸しで確認する項目
最低限の棚卸しは、GPU SKU、メモリ容量、フォームファクタ、vGPU for Compute利用有無、現在のAI Enterprise Infra branch、vGPU Manager、Guest Driver、ハイパーバイザー、Kubernetes、NIM利用有無です。
次に、8.xへ進みたい理由を整理します。理由が「新しいNIMを使いたい」なら、アプリケーション層のPBと互換Infraを確認します。理由が「新GPUへ入れ替える」なら、調達、保守、電力、冷却、ラック、ドライバ検証が先です。理由が「既存V100を延命したい」なら、LTSBのサポート期限と社内のセキュリティ基準を確認します。
避けたいのは、ひとつの結論に寄せすぎることです。「V100があるから何も更新できない」でも、「PB6があるから全部PB6へ移る」でもありません。GPU、Infra、PB、NIM、契約サポートは別々に棚卸しし、そのうえで移行単位を決めるのが安全です。
PB 25h2の終了前にNIMとアプリケーション層を見直す
- 2025年10月
PB 25h2のFirst planned releaseです。
- 2026年5月
PB6のFirst planned releaseが示され、次の移行先候補として確認を始めます。
- 2026年6月
PB 25h2のLast planned releaseです。利用中のNIMやモデル名をEOL Noticesで確認します。
- 2026年7月
PB 25h2のPlanned EOLです。更新、CVE対応、ロールバック方針を事前に決めておきます。
- 2026年12月
PB6のLast planned releaseです。
- 2027年1月
PB6のPlanned EOLです。PB6へ移る場合も次の期限を見ておきます。
PB6へ移ること、Infra 8.xへ移ること、GPUを更新することは同じ意味ではありません。
NVIDIA AI EnterpriseのApplication Layer Lifecycleでは、Production Branch – October 2025、つまりPB 25h2が、October 2025をFirst planned release、June 2026をLast planned release、July 2026をPlanned EOLとして示されています。2026年6月12日時点では、PB 25h2を使っているチームが「いつまで残すか」を決める時期に入っています。
一方、Production Branch 6、PB6はMay 2026をFirst planned release、December 2026をLast planned release、January 2027をPlanned EOLとして示されています。PB6は次の移行先候補ですが、すべての環境に対する即時解決策ではありません。GPU、Infra branch、NIMコンテナ、モデル、API互換、ライセンス、サポート条件を合わせて確認する必要があります。
PB 25h2はいつまで見るべきか
根拠
PB 25h2のPlanned EOLが2026年7月であることは、NIMやAI frameworkを使うチームにとって、単なるカレンダー情報ではありません。PB 25h2由来のNIMコンテナやモデルを本番、社内PoC、顧客向けサービスで使っている場合、EOL後の更新、CVE対応、バグ修正、モデル置き換え、ロールバック方針を確認する必要があります。
個別確認
EOL Noticesには、個別コンポーネントの注意点も出ています。たとえばNVIDIA NIM Llama-3.1-70b-instructは、End of Support DateがJuly 2026、Last Supported Versionが1.10として整理され、Migration PathとしてLlama-3.3-70b-instructやMulti-LLM NIMへの移行が示されています。この記事では個別NIMを網羅しませんが、PB 25h2を使っている読者は、公式EOL Noticesで自分のコンテナやモデル名を確認してください。
PB6は「次のPB」だが、即時解決策とは限らない
条件
PB6は、PB 25h2の次に見るべきProduction Branchです。ただし、PB6へ移ることと、Infra 8.xへ移ること、GPUを更新することは同じ意味ではありません。Application LayerとInfrastructure Layerの互換を見たうえで、NIMだけを更新できるのか、Operatorやドライバも更新するのか、GPU制約でLTSBに残すのかを分けます。
確認項目
特に自己ホストNIMでは、コンテナタグ、NGC Collection、対応GPU、API互換、GPUメモリ、レイテンシ、監視、ロールバック手順が検証項目です。Hosted APIで試していたものを本番自己ホストへ移す場合は、API接続先が同じように見えても、運用責任の範囲が変わります。NIMの入口ごとの違いは、<a href="https://nvda-watch.blog.mo-gmo.com/nvda-37-nim-api-selfhost-ai-enterprise-checklist/" rel="noopener">NVIDIA NIMアクセス確認</a>で詳しく整理しています。
NIM移行で見落としやすい点
NIM移行では、モデル名やコンテナタグだけで判断しないことが重要です。同じモデルファミリでも、PB、コンテナ、API、対応GPU、ライセンス、サポート期限が異なる場合があります。Embedding、reranking、speech、vision-language、LLMなど、用途によって必要なGPUメモリや依存ライブラリも変わります。
本番サービスでは、移行前後のレイテンシ、スループット、APIレスポンス互換、エラー処理、監査ログ、データ境界、セキュリティ設定、ロールバックを事前に見る必要があります。PoCではPB6の検証を早く始める価値がありますが、本番では契約サポート、変更凍結期間、監査要件まで含めて判断します。
PB6、Infra 7.5 LTSB、Infra 4.10 LTSBの選び方
旧GPU制約が小さく、新しいNIM、Operator、R595系ドライバ、Kubernetes運用を検証したい環境で候補になります。
V100や対象RTX/QuadroをvGPU for Computeで使い続けながら、比較的新しいLTSBのサポート窓に留まりたい環境で検討します。
既存4.x系に残っており、短期で大きな基盤更新が難しい環境では期限を意識したつなぎとして見ます。
規制対応、政府向け、医療、金融、重要インフラでは、通常版、Government Ready、FIPS、STIG hardened版の範囲を混同しないことが重要です。
今回の判断は、PB6、Infra 7.5 LTSB、Infra 4.10 LTSBの三択に見えます。ただし実際には、アプリケーション層とインフラ層を組み合わせて考えます。PB6へ移るか、Infra 8.xへ進むか、LTSBに残すか、GPUを更新するかは、それぞれ別の意思決定です。
NVIDIA AI Enterprise Docs Homeでは、Infra 8がR595 595.71.05、Latest Release 8.1、Latest Update May 2026、Planned EOL April 2027として示されています。Infra 7はR580 580.159.03、Latest Release 7.5、Latest Update May 2026、Planned EOL July 2028です。Infra 4はR535 535.309.01、Latest Release 4.10、Latest Update May 2026、Planned EOL July 2026として示されています。
PB6/Infra 8.xを選ぶ条件
向く条件
PB6やInfra 8.xが向くのは、旧GPU制約が小さく、新しいNIM、Operator、R595系ドライバ、Kubernetes運用の検証を進めたい環境です。新しいGPUノードを追加する、NIMのモデル更新を進める、Run:aiやOperatorの新しい組み合わせを検証する、PB 25h2 EOL前に次のアプリケーション層へ寄せる、といった目的があるなら候補になります。
注意点
ただし、PB6/Infra 8.xへ進む場合でも、互換Infrastructure Release、対応GPU、NIMコンテナ、NGC Collection、Government Ready版の有無、サポート契約、ロールバック手順を確認します。特に規制対応や政府向け、医療、金融、重要インフラのような環境では、通常版とGovernment Ready、FIPS、STIG hardened版の範囲を混同しないでください。
Infra 7.5 LTSBを選ぶ条件
向く条件
Infra 7.5 LTSBは、対象GPUを残しながら、比較的新しいLTSBのサポート窓に留まりたい環境の候補です。NVIDIA Docs Homeでは、Infra 7 LTSBのPlanned EOLがJuly 2028として示されています。V100や対象RTX/QuadroをvGPU for Computeで使い続ける必要があり、なおかつInfra 8.xへ進む準備が整っていない場合は、まずこの分岐を検討する価値があります。
注意点
もちろん、LTSBに残ることは、すべての新しいNIMやPBを諦めるという意味ではありません。Application LayerとInfrastructure Layerは分かれているため、互換表で「どのPBがどのInfraに対応するか」を確認する必要があります。ここを確認せずに、LTSB残留だけを決めると、PB 25h2のEOLや個別NIMの移行を見落とします。
Infra 4.10 LTSBを選ぶ条件
Infra 4.10 LTSBは、既存環境が4.x系に残っており、短期で大きな基盤更新が難しい場合の選択肢です。Docs HomeではInfra 4 LTSBのPlanned EOLがJuly 2026として示されているため、長期の安住先というより、期限を意識したつなぎとして見るほうが自然です。
Infra 4.xに残す場合は、旧GPUの継続利用、既存運用の安定性、変更凍結、本番SLA、保守契約を優先する理由を明確にします。同時に、PB 25h2のEOL、個別NIMの移行、次のGPU更新、Infra 7.5 LTSBまたは8.xへの出口戦略を決めておく必要があります。
導入企業と開発チームのチェックリスト
GPU SKU、vGPU for Compute、Infra branch、ドライバ、vGPU Manager、Guest Driver、Kubernetes、各Operatorを棚卸しします。
利用中のNIM、モデル、コンテナタグ、PB、API、推論エンジン、依存ライブラリ、移行後の出力傾向を確認します。
GPU更新、保守契約、AI Enterpriseライセンス、販売パートナー確認、サポート期限、監査要件を見ます。
本番環境では、技術検証だけでなく購買、変更承認、保守契約、例外承認のリードタイムも逆算します。
ここからは、担当者別に確認項目を分けます。AI Enterpriseの更新判断は、ひとつのチームだけで完結しません。インフラ、NIM/アプリ、購買・リスクの3つに分けると、見落としが減ります。
インフラ担当が見ること
確認項目
インフラ担当は、まずGPU棚卸しです。V100、RTX 4000 SFF Ada、RTX A4000、Quadro RTX 8000/6000/4000があるか。vGPU for Computeで使っているか。現在のInfra branch、ドライバ、vGPU Manager、Guest Driver、ハイパーバイザー、Kubernetes、GPU Operator、Network Operator、NIM Operatorのバージョンは何か。
分離条件
次に、8.xへ進む環境とLTSBへ残す環境を分けられるかを見ます。全GPUノードを一度に更新できない場合でも、PoCノード、新GPUノード、本番旧GPUノードを分けることで、PB6検証と旧GPU継続を同時に進められる可能性があります。
最後に、ドライバ更新をどこで切り出せるかです。R595系へ進むには、単にドライバを上げるだけでなく、Fabric Manager、vGPU、Operator、Kubernetes、監視、ロールバックを含めた検証が必要になります。
NIM/アプリ担当が見ること
NIM/アプリ担当は、利用中のNIM、モデル、コンテナタグ、PB、API、推論エンジン、依存ライブラリを棚卸しします。PB 25h2由来のものがある場合は、2026年7月のPlanned EOL前に、PB6対応版や代替モデルを検証する計画が必要です。
API互換だけでなく、レイテンシ、GPUメモリ、スループット、バッチ設定、ログ、監視、セキュリティ設定も確認します。NIMの移行は、モデル名が同じなら終わりではありません。モデル置き換えがある場合、出力傾向や評価セット、プロンプト、RAGの検索品質も合わせて見る必要があります。
購買・リスク担当が見ること
購買・リスク担当は、GPU更新、保守契約、AI Enterpriseライセンス、販売パートナー確認、サポート期限、監査要件を見ます。PB 25h2のPlanned EOLがJuly 2026である以上、社内の購買、検証、変更承認のリードタイムが間に合うかを逆算する必要があります。
GPUを更新する場合は、価格だけでなく、納期、保守部品、電力、冷却、ラック、ネットワーク、既存アプリの互換、移行作業の人員も確認します。LTSBに残す場合は、例外承認、サポート窓、セキュリティ更新、出口戦略を文書化しておくべきです。
まとめは「期限前に決める3つ」に絞る
- 11. GPUを棚卸しする
Tesla V100系、RTX 4000 SFF Ada、RTX A4000、Quadro RTX 8000/6000/4000の有無とvGPU for Compute利用を確認します。
- 22. PB 25h2依存を確認する
NIM、AI framework、SDK、モデル、NGC Collection、個別コンテナのタグを見ます。
- 33. 分岐を決める
PB6、Infra 7.5 LTSB、Infra 4.10 LTSB、GPU更新のどれを先に検証するかを決めます。
- 44. 公式確認へ戻す
本番利用、契約、Government Ready、FIPS、STIG hardened、価格、サポート可否は公式Docsと販売パートナーで再確認します。
Release Notes、Lifecycle、EOL Noticesは更新される可能性があるため、公開後も定期的に確認します。
NVIDIA AI Enterprise 8.1は、最新バージョンの紹介だけで終わらせるより、移行期限とサポート境界を整理する材料として読むほうが役に立ちます。読者が今やるべきことは、GPUを棚卸しすること、PB 25h2依存を確認すること、PB6/LTSB/GPU更新の分岐を決めることです。
今すぐ確認すること
確認項目
最初に、対象GPUがあるかを確認します。Tesla V100系、RTX 4000 SFF Ada、RTX A4000、Quadro RTX 8000/6000/4000をvGPU for Computeで使っている場合、Infra 8.xへ進む計画とLTSB残留の計画を分けてください。
次の判断
次に、PB 25h2を使っているかを確認します。NIM、AI framework、SDK、モデル、NGC Collection、個別コンテナのタグを見て、2026年7月のPlanned EOL前にPB6検証が必要かを判断します。
問い合わせ条件
最後に、問い合わせの準備です。本番利用、保守契約、Government Ready、FIPS、STIG hardened、販売パートナー条件、価格、サポート可否は、この記事だけで判断できません。公式Docsで構成を整理したうえで、NVIDIAまたは販売パートナーへ確認してください。
公開後に見るべき更新
ライフサイクル表、EOL Notices、Release Notesは更新される可能性があります。公開後は、Infra 8.1 Release Notes、AI Enterprise Docs Home、Application Layer Lifecycle、Infrastructure Layer Lifecycle、EOL Noticesを定期的に見直す必要があります。2026年6月のNVIDIA関連トピックは、<a href="https://nvda-watch.blog.mo-gmo.com/monthly-topics-2026-06/" rel="noopener">2026年6月 重要トピックまとめ</a>にも集約します。
NVIDIA Watch Japanでは、NVIDIAの公式発表、製品/サービス更新、噂確認、月次まとめの更新通知をニュースレターでも扱っています。継続して追う場合は、<a href="https://nvda-watch.blog.mo-gmo.com/newsletter/" rel="noopener">ニュースレター</a>も確認してください。
次に読むなら
参照した主な情報源
- NVIDIA AI Enterprise 8.1 Release Notes(確認日:2026年6月12日)
https://docs.nvidia.com/ai-enterprise/release-8/latest/overview/release-notes-8/8.1.html
- NVIDIA AI Enterprise 8.0 Release Notes(確認日:2026年6月12日)
https://docs.nvidia.com/ai-enterprise/release-8/latest/overview/release-notes-8/8.0.html
- NVIDIA AI Enterprise End of Life Notices(確認日:2026年6月12日)
https://docs.nvidia.com/ai-enterprise/lifecycle/latest/eol-notices.html
- NVIDIA AI Enterprise Application Layer Software Lifecycle(確認日:2026年6月12日)
https://docs.nvidia.com/ai-enterprise/lifecycle/latest/application-software.html
- NVIDIA AI Enterprise Infrastructure Layer Software Lifecycle(確認日:2026年6月12日)
https://docs.nvidia.com/ai-enterprise/lifecycle/latest/infrastructure-software.html
- NVIDIA AI Enterprise Docs Home(確認日:2026年6月12日)
https://docs.nvidia.com/ai-enterprise/index.html
更新履歴
- 2026年6月12日
AI Enterprise 8.1 Release Notes、8.0 Release Notes、EOL Notices、Application Layer Lifecycle、Infrastructure Layer Lifecycle、Docs Homeを確認しました。
- 公開後
Lifecycle、Release Notes、EOL Noticesに変更が出た場合は、PB、Infra、GPUサポート境界を再確認します。
サポート期限やEOL表は更新される可能性があるため、記事公開後も一次情報へ戻る前提で扱います。
- 2026年6月12日:NVIDIA AI Enterprise 8.1 Release Notes、8.0 Release Notes、EOL Notices、Application Layer Lifecycle、Infrastructure Layer Lifecycle、Docs Homeを確認し、初稿を作成。
